④9時間で行けるの?近所だな。感涙のウクライナ、独裁のベラルーシ、楽しい楽しいポーランド編
早々にロシアを脱出した僕はウクライナ、キエフに向かった。ウクライナの後はベラルーシに行く予定だったわけだが、ではなぜモスクワからまっすぐ西に向かわなかったのか?
理由は二つある。
①ロシアとベラルーシの国境を両国以外の国籍を持つ人が陸路で越えると、逮捕される
②チェルノブイリに興味があった
主な理由はもちろん①だ。大学の先輩が列車に乗ってたら国境で拘束されたらしい。なんだよそれ。捕まえるならチケット売るなよ。
というわけでウクライナを経由してベラルーシに行ったわけだが、そんな「ついで」のウクライナで割と人生変わるほどの経験をした。このことが帰国後の僕を福島第一原発へと向かわせることになるのだが、それはまた別の話だ。
キエフからベラルーシのミンスクまでは、またまた電車。今回はウクライナ国内で引き換えられたから、事前予約してたウクライナ鉄道に乗れた。今度は12時間かかった。もうここまで来ると寝台列車のベテランである。支給されるシーツなんかも一瞬で敷ける。
ベラルーシは独裁国家で、面白かった。独裁国家はやたら道が広い。そして娯楽がないから、レベルの低いサーカスが大盛況だった。
そしてベラルーシの次はポーランド。事前予約してた列車でミンスクからブレストまで行き、ブレストで乗り換えてワルシャワまで。合計9時間。1桁時間で着くなんて、近所じゃん(錯覚)。ついにEUだ。
このころから少し暖かくなってきて、公園で朝からビールを飲んだりしてだらだらすることができるようになってきた。せっかく旅に出てそんなことするなよって思う人もいるだろうが、はっきり言っておくと、旅はものすごく疲れる。どこに行っても「家」がないから、心の休まる暇がないのだ。何年って単位で旅してる人はバケモノだ。だから公園でビールを飲む日も必要なのだ。
ポーランドもかなり楽しかった。物は安いし、街は綺麗で、人も親切だ。なぜか中国人とスペイン人の友達がたくさんできた。
そんなこんなでもうEUに突入したのだが、ここからが大変だ。次回からは地獄の長距離バス編に突入だ。
ここまでの長距離移動の合計時間: 134時間